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July 30, 2006

「帰還 ゲド戦記最後の書」ル=グウィン作 清水真砂子訳

 映画の「ゲド戦記」も公開されました。

 お客さんは、入っているようですが、内容はどうでしょう?

 映画にするには、派手でないので(^^;
 結構、宮崎アニメは、色彩豊かな街と、美味しそうなご飯と、グロテクスなものが入り混じったアニメなんですが、私には、このアニメの原案になった3巻と4巻からは、そんな光景が想像できない^^;
 あと、テレビの予告編もちょっと、「なんだかな~」な作りで、それでも期待はしてるんですがね。

 さて、前巻と時間的に重なった時期に、始まります。
 なんといっても、この物語の主人公は、ゴハ、彼女の何気ない日常を送っていたところ、大やけどをした女の子の治療を引き受けることになります。彼女の名はテルー。そんな時期に、かつての恩師オジオンからの使者がやってきます。

 察しの言い方は、分りますが、ゴハは真の名前はテナー。
 2巻で14歳の少女だった彼女は、魔法使いの道を自ら閉ざし、今では2人の子供を持つ、後家さんです。
 何が、彼女をそうさせたのか?それは、本書を読んでください(^^;

 本書では、明らかに、フェミニズム的な問題を扱ってきました。
 本書では、男性と女性の魔法はについて登場人物を通して散々論議されます。一部を引用すると

 「ただ、女の力は、地中深く根を張ります。クロイチゴのやぶみたいに。一方男の魔法使いの力はモミの木みたいに、上に上に大きく、高く、堂々と伸びていきますが、嵐がくれば倒れてしまいます。でも、クロイチゴのやぶはなにをもってしても根だやしにはできません。」

(P156引用)
 でも、そこで展開される男女の性差については、人生経験をつんだものしか語ることの出来ない、経験とか体験が含まれてるように感じます。

 「身体知」という言葉があります。
 

これは、「身体が行う知的判断」、「身体から発信されるメッセージ」を意味する。

(身体知 身体が教えてくれること 内田樹×三砂ちづる 著 バジリコ株式会社発行 p244)
 また、内田先生ネタですが、この本の中で、男は武道、女は出産で、その能力を研ぎ澄ますことができると述べてます。
 それが会得できると何ができるかというと、こう具体例を挙げている。
 たとえば、道を歩いていて、そこがこわい場所だとすると、身体知があればこわい場所だと感じられるんです。

(身体知 身体が教えてくれること 内田樹×三砂ちづる 著 バジリコ株式会社発行 p36)

 なんで、こんなことを挙げたと言うと、主人公ゴハ(テナー)は、ほとんど直感と言うか、感覚と言うか、思いつきで行動を取る、それが大抵の場合は、良い選択肢だったりする(ただ、魔法にかけられた場合は、抵抗できないのですが、それでも危険は察知している)。
 その感覚は、彼女が女性としての出産を経て、身体知を会得したのかなと推測したからです。


 ゲド戦記は、児童向けの本だと思うのですが、第4巻に限っては、10代の男の子が読むと、詰まんないかもしれません。しかし、女の子が読むと、ためになるかもしれません。
 いや、男の子も、早いうちに「赤毛のアン」とか「若草物語」は読んでおいた方がいいから、読むべきかもしれない。しかし、モチベーションをどう持ってくるかが、わかんないなぁ~


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