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July 15, 2006

ゲド戦記3巻「さいはての島へ」 ル=グウィン作 清水真砂子訳 岩波書店

 この夏、公開される「ゲド戦記」は、どうやら3巻と4巻の内容らしい。
 だが、試写会の案内とかを読むと、アレンジしているらしい。


 ゲド戦記は、戦記という割りには、内面的な葛藤を表現した心理ドラマです。

 この巻のハイタカ(ゲド)は、大賢人になっています。恩師オジオンもまだ健在のようです。なんだか嬉しい^^

 「どうやら、ちまたがおかしくなっている。世界の周辺から魔法が失われていく」そんな報告を受けた賢人たちは、協議の上ハイタカを調査のため派遣する。
 ハイタカは、それに応え一人の少年を共に、「はてみ丸」と共に旅に出るのであった...

 「夕闇せまる雲の上 いつも独りで飛んでいる 鷹はきっと寂しかろう」
 映画の主題歌「テルーの歌」なんですが、これはハイタカ(ゲド)の境遇を唱った歌なんですかね~

 さて、今回の主人公は、アレンくんです。古の王家の血筋を持つ少年です。物語は、主に少年の眼を通して語られます。この展開は、第2巻と同じ、けれどあの頃のハイタカは若かった。今は、貫禄十分、けれど気性はあんまり変わらない^^;

 魔法の力が失われる...なんて物語は、結構あるように感じます。
 かのSF作家ラリー・ニーブン著のその名も「魔法の国が消えていく」(後に「魔法の国が蘇る」なんてのもありました)がありますが、私は未読^^;
 魔法の国ザンスシリーズ 第2巻「魔王の領域」でも、終盤、主人公ビンクは魔王を解放しザンスも魔法の国で無くなる風景が描かれます。

 これは、既成概念が崩れる瞬間といったらいいのでしょうか?
 たとえば、戦前「鬼畜米英」といっていた我が国の教師が、戦後、自らの教科書の塗りつぶしをさせるとか、このような時期は社会がすごく不安定になります。
 そのため、いわゆる敬意を持って扱われていた魔法使い達が、迫害され、商売替えや、最悪廃人になってしまいます。
 この原因は、何か?それを探るのが、主人公達の目的です。しかし、ハイタカには別の目的がありました。

 それは、国に王を据えること。そのため内容も禅問答的な話が多いです。
 たとえば、どうしても、物事を短絡的に考えるアレンに、ハイタカは諭します。
 「何かをするということは、若い人たちが考えるように、簡単に石ころでも拾って、投げて、あたるかそれるかして、それでおしまい、というわけにはいかないんだ。(中略)石が落ちたところでは、森羅万象、変化が起きる。何をしても、全体の均衡にかかわってくるんだ。」
 (P113より引用)
 また、こうも言います。
 「よい人間とはどんな人間かな?悪を働かず、闇の扉を開けず、己の中にも闇を持たない人間かな?(中略)自分自身をよくみつめてごらん」
 (P226より引用)
 やはり、哲学的な話ですなぁ~
 それと、なんだが漫画版の「風の谷のナウシカ」の終盤における問答を思い出します。
 宮崎駿監督は、この作品の映画化を前から考えていたそうです。実現したのは、息子さんのようですが、

 さて、龍が登場します。気高く、存在感があります。ザンスの世界だと飛行ドラゴンは、脳が小さいので頭悪いんだそうですが、この物語の龍は、威厳があり気高くカッコいいですよ^^

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