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February 18, 2006

夏への扉(ロバート・A・ハインライン著 福島正美訳 早川文庫)

 「夏の香り」でちょっと触れましたので、久々に読みました。最初に読んだのは、学生の頃です。文庫の発行年月が1989年でした。
 いろいろと表現が古めかしくなっています。

 ハインラインとくれば「宇宙の戦士」!バリバリのタカ派のような印象をうける作家のですが、この作品はうってかわって、ロマンティックな作品です。

 時は1970年、主人公は、飼い猫ピートとともに、飲んだくれていた。数日前に、自ら設立した会社を、友人と婚約者に乗っ取られ、わずかな手切れ金とともに放り出されたのだ。
 彼は、この世を憂うとともに、現実逃避のために、冷凍睡眠で30年後の未来に行くことを考えていたのだが...

 この本は、まず猫好きの人に、お勧めします。
 主人公と共に行動を共にする飼い猫のピートくんは、ジンジャーエールが好きで、冬になると「夏への扉」を主人公に探させます。彼の一挙手一投足を楽しんで下さい。

 次に、SFやファンタジーの好きな人にもお勧めします。
 ハインラインの未来観は、いろんな人がいうとおり卓越してます。
 この作品は、1970年から2000年の世界に飛びます。その世界は、2006年に生きている我々でもまだ実現できてないことが描かれているのだけれども、ちょっと背伸びをすれば、実現できそうな、合理的で、わかりやすい、スマートな未来が描かれています。みなさんは、この未来観を読むだけでもしびれると思います。

 そして、SFが嫌いな人にもお勧めします。
 難しいこと、技術的なことは読み飛ばして結構!人間くさく失敗ばかりの主人公に共感を持つでしょう。そして、物語が終わるころには、主人公と一緒に喜びを共感していると思います。それだけ、作者の話の展開に引き込まれると思います。
 ちょっとした矛盾と、ちょっとしたご都合主義が見受けられますが、でもいいじゃないですか?人生はまさに偶然が重なり合った産物なのです。

 この作品を気に入った方には、
 ケン・グリムウッドの「リプレイ
 ジャック・フィニィの「ゲイルズバーグの春を愛す
 もお勧めしておきます。

 夏の扉(amazon.co.jp)

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